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明星学苑報WEB版

 

 

1つの授業に、2人の先生?

Team Teaching

 

蔵多 みなさん、本日はお集まりいただき、ありがとうございます。明星学苑には「人格接触による手塩にかける教育」という教育方針があります。年齢的に性格や考え方を形成していく小学校教育では、この「手塩にかける」という部分が重要であると思います。そこで、今回はこのテーマを中心に、明星小学校の特色についてお話しいただきたいと思います。

 

一同 よろしくお願いします。

 

蔵多 何か明星小学校の教育の特色と言える取り組みがあればお話しください。

 

丹野 はい。明星小学校では現在、算数や体育、自然と触れ合う「くぬぎの時間」でTeam  Teaching (以下、TT)を行っています。TTとは1つの授業に2人の教師が子どもたちの指導をする体制のことです。

 

蔵多 その活動はいつから取り組んでいるのですか?

 

丹野 特に算数では、平成101998)年から、試験的に6年生に取り入れました。次に5年生、それから12年生、そして34生と進めていき、平成142002)年には全学年全授業にこのTTを導入しました。

 

 

蔵多 TTの導入には、どのような背景があったのでしょうか?

 

丹野 一人ひとりの子どもたちを深く指導できればという思いから始まりました。例えば算数の場合は操作的学習が多いことなどの理由で、児童毎に個人差が出てしまいます。それが2人の教師で対応することにより、それぞれの子どもたちの学習スピードに対応できるようになりました。

  

野崎 もともと算数は特に個人差がつきやすい教科ですから、学年が上がる度に差が出てきてしまいます。

 

丹野 そのために、1年生の早い段階からTTを始める必要があると思いました。

 

蔵多 TTのような制度は、他校でも行っているのでしょうか?

 

丹野 全学年全授業が対象ということは、周囲の学校ではあまり聞かないですね。

 

蔵多 現在の体制は明星独自というわけですね。算数の他にTTが取り入れられている「くぬぎの時間」はクヌギの木で腐葉土を作ったり、野菜作りや多摩川へ行ったりしていた学習の時間のことですよね?

 

丹野 そうですね。くぬぎの時間は、明星独自の体験教育から発展してきたものです。現在では、「自然と親しみ、生命の大切さを学ぶ」「多摩川と畑から育つ力」「自立と共生~育つ・育てる~」といったことを中心に様々な取り組みを実施しています。

 

中江 多摩川沿いに、自然に囲まれた郷土の森という施設があり、先日、3年生がそこに行ってきました。鳥・植物・昆虫・石というテーマ毎に分かれて、それぞれの分野の専門のスタッフの方にご指導いただきました。初めての多摩川での活動でしたが、興味のある分野をより深めることができていました。

 

蔵多 それは良い体験ですね。自然から離れた環境で育った子どもたちは虫を触る機会もあまりないでしょうからね。

 

科目ごとに教師が変わる教科担任制

 

蔵多 通常の小学校ではクラスの担任が全科目を担当するわけですが、明星小学校では少し異なった形式を取っているようですね。

 

 

 

渡邊 そうですね。56年生に限り、学年毎に国語・社会・算数の3科目を各クラスの先生が分担し、担任のクラス以外も担当教科を指導します。

 

野崎 クラスによって差がなくなるというメリットがあります。また、担任だけではなく多くの目で子どもたちをみることができます。担任以外にも関わる先生が増えますし、学年に1人は女性教師がいますので女子児童が相談がしやすくなる利点もあるようです。

 

 

蔵多 教科担任制を導入しているのが、56年生だけなのは何か理由があるのですか?

 

菅野 はい。1年生から4年生までは、子どもたちとクラス担任との関わりを大切にしているため行っていません。ですが、56年生では、より深い授業、専門的な研究を求めて、また、多くの目で学年全体、児童一人ひとりを見ていきたいということなどから教科担任制にしています。それと、中学という先のことも考慮して、教科担任制を取り入れました。

 

ら進んで学ぶ課外授業・自学

 

蔵多 その他に取り組んでいることとして、課外授業の「自学」というものがあるとお聞きしました。これはどのような取り組みなのでしょうか。

 

 

中江 通常の授業が終わったあとに開く参加希望制の学習会です。授業の難易度が上がる3年生以上を対象に、昨年度から実施を始めました。水曜日と金曜日に30分間ずつ行われます。

 

蔵多 補習授業ということですか?

 

中江 そうですね。ただ、誰でも出て良いというところが、補習授業と異なる点になります。自分の力を高めたいという児童には一層の学力向上の機会に、勉強量や理解が不足している児童には補習授業にと活用してもらっています。

 

野崎 「学校の勉強は学校で」という考え方が根底にあります。

 

蔵多 子どもたちに何か変化は出てきましたか?

 

中江 勉強に対する姿勢が変わってきました。制度を取り入れて、まだまだ日は浅いですが、 「勉強は自分で進めていくもの」という意識付けができつつあります。

 

蔵多 「残って補習しなさい」と先生が言うときもあるんですよね。

 

野崎 そうですね。ただ、導入したての頃と比べて、自発的に自学に参加する子どもたちが増えてきました。

 

中江 今年度初めての参加になる3年生の保護者の方へは、担任から事前にプリントを配付しています。また、課外授業の概要も説明して、ご理解いただけるように取り組んでいます。その結果、毎回70名程の子どもたちが参加し、学習を楽しんでいます。

 

 

野崎 課外授業では、勉強の方法を含めて指導しています。高学年になって突然「勉強の仕方を変えなさい」と言われても、なかなか難しいですから。早い段階で自分なりの勉強の進め方を身に付けて欲しいという思いがあります。

 

渡邊 その他にも、7月下旬には「サマースクール」を行っています。4日間ある水泳の授業とタイアップし、水泳の時間の前に授業をしています。60分ずつ各教科で行っていますが、主に、国語と算数を重点的に指導しています。サマースクールでも勉強の仕方を教えています。それが分かれば勉強が楽しくなり、勉強ができるようになれば自信を持つことができると思っています。

 

蔵多 なるほど。それらを含めて保護者の方々の反応はいかがでしょうか?

 

中江 「漢字の力が伸びました」だとか、 「九九が確実に言えるようになりました」というような声をたくさん聞いています。本当に課外の時間を設定して良かったなと思います。

 

学校に来たら、子どもたちを見てください

 

 

蔵多 教師も児童も保護者の方々も、すべてが一体となった教育を実現する必要があると感じています。その他に、今後力を入れていきたい取り組みがあればお聞かせください。

 

野崎 明星学苑の創立者である児玉九十先生の著書『両親教育』の中にあったように、学校と家庭が両輪となって、子どもたちを育てていかないといけないと思っています。

 

菅野 これからも私たちは、九十先生の教えを実践していかなければいけません。そして、お預かりしている子どもたちを、信頼と愛情、厳しさとやさしさを持って大事に育てていきたいと考えています。人間教育を大切にしながら、卒業時には一人ひとりが私たち教師にとっても、保護者の方々にとっても「自慢の子ども」になるよう、指導していきたいです。私は学校見学や説明会にお越しいただいた方には、まず「子どもたちを見てください」といつもお伝えしています。このような理想を実現するために、まずは私たち自身がさらに研鑽を積み、教育方法を模索していく必要があります。

 

野崎 その通りで、TTや課外授業などのシステムがあってもそれに甘んじず、努力し続ける必要があると思っています。そのため、先生同士の連携をしっかり取り、事前の教材研究や授業後の反省をしていかなければなりません。私たちは「分かる喜び」を教える必要があるのです。

 

 

菅野 そうして研鑽した上で、私たちは持っている知識、知恵、そして愛情を惜しげもなく子どもたちに注ぎ続けていくことが必要です。それが手塩にかけて育てていくことに繋がると信じています。しっかりとした土台なくしては、良い家は建ちません。何でもそうですが、大切なのは「基礎」です。私たちがTTや教科担任制、課外(自学)などを取り入れたのは、何より基礎力が大事であると考えたからです。基礎力とは、伸びる力を育むための土壌だと考えています。手をかけ、声をかけ、目をかけて、「正直なよい子」に育った子どもたちには、その延長線上にある「世界に貢献する」大人になった姿が待っているのだと信じています。子どもたちの未来を想いながら、日々工夫し、前へ進んでいこうと思っています。

 

蔵多 素晴らしい先生方に囲まれて、明星小学校の子どもたちの未来は明るいと確信しました。これからも目標に向かって、みなさんのより一層のご活躍を期待しています。

 

一同 ありがとうございます。