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トップ>明星学苑報>学苑報NO.40
明星学苑報WEB版
 



―まずは「わくわく理科実験」をはじめた経緯をお聞かせください

 中学生を対象に夏期講習で理科実験をやろうと呼びかけたところ、なんと100名を超える生徒たちが参加を希望しました。もちろん予想以上。生徒たちは私たちが思っている以上に実験に興味があったんだと気付き、この「わくわく理科実験」をやろうと決意し、校長へ提案しました。

乗附 通常の授業は50分で、カリキュラムとしてやらなければならないことがあります。でも、課外授業なら2時間使ってもいいわけです。何よりも自分たちが学生時代に「実験は楽しい」と実感していたので、実験を通して理科を好きになってほしいと思っていました。

 よく理数系離れと言われますが、中学生を見る限りではさほど感じません。でも高校生になると理数系に進む数がぐっと減る。だからより早い中学の段階でカリキュラムをこなすだけの教育を脱して、「理科って楽しい」と気づいてほしいという思いがありました。
とはいえ、不安もありました。事故が起きてしまったら大変ですからね。でも、それで止めたら、やっぱり理科離れが進んでしまうかもしれない。理科が楽しいということは自分たちが誰よりもわかっているので、「僕らが勇気を出さずにどうする」と踏み込みました。もちろん安全には十分注意し、必ず複数で実験を監督するようにしています。

乗附 そして始めた「わくわく理科実験」も今年で5年目を迎えました。最初は夏休みなど通常のカリキュラムと離れた時期に行っていましたが、現在は月1~2回ほど開催しています。対象も主に中学生と高校生。中高生合同で行うこともあります。コンスタントに参加者もいて、テーマによっては50名を超える時も。ようやく学内にも定着してきました。

 


―「わくわく理科実験」をはじめてから、生徒たちに何か変化はありましたか

 

 自分で考え、自分の言葉で自然と話すようになりました。実験は2人1組を基本にしていて、話し合わなければ実験はできませんので。

乗附 チームを作る際、できるだけ友達同士にならないよう、学年もミックスしています。上級生がリーダーになることが多いのですが、程よい緊張感があるのが良い効果を生んでいるようです。また、チーム毎に実験のアプローチが異なるなどの面白さがあります。水性ペンの色をにじませて、何色の顔料を使って構成されているかを分析する「水性ペンの色の検出実験」を行ったのですが、あるチームが会社別に黒色の違いを実験していたのに対して、他のチームでは同じ会社のペンを色別に検出していました。

 同じ「水性ペンの色検出」というテーマでも、間口を広げることで生徒たちの発想力を刺激できると感じました。

乗附 そうですね。実験を進めていると、こちらでも想定していないような疑問が浮かび上がってくる。じゃ次はそれについて調べてみようとなるわけです。自分で考え、浮かんだ疑問に対して素直に追究するから、新しい視点にも出会えるのだと思います。

 普段の授業はある意味、結果がわかっていることを教えます。でも「わくわく理科実験」は、どんな結果が導かれるのだろうという探求の楽しさがある。自由を与えることで、知的好奇心が呼び覚まされるのだと思いますね。私たち教員も生徒と一緒に、まさにワクワクしながら理科実験を楽しんでいます。

乗附 最近は実験結果についてもしっかりとレポートするようにしています。データ整理はやりたがらない生徒が多いかと思っていましたが、考えて実験に取り組んでいるせいか、抵抗感がなくなってきたと感じます。金環日食のデータ整理の回ではこちらが思った以上の出席者数でした。

 更に、募集広報にも良い影響を与えることができたと思います。受験生を対象とした体験授業で同様の実験をしているのですが、「月に1度、このような実験ができるなら」と入学した生徒もいます。





―探求する楽しさを実感できる「わくわく理科実験」。今後の目標を教えてください

乗附
 私の専門である化学では、薬品を使えば、色々なことができますが、実験では身近なものをテーマにするよう心掛けています。例えば、学校内で買ったジュースに薄めたうがい薬を混ぜ、色の変化によってジュース内のビタミンCの量を比べたり。見るからに「健康に良い」というジュースよりもお茶の方にビタミンCが多いという結果が出て、生徒たちから驚きの声が挙がりました。身近なことを掘り下げることで、毎日の生活に理科をもっと感じ、楽しんでほしいと思っています。

 私は逆に「学校だからできること」もあると考え「超伝導の実験」や、「プログラミングを使って動かすラジコンカーの実験」など、身近にないものを取り上げています。最先端の物理はどうなっているのかを感じてほしいという視点でテーマ選びをしています。

乗附 そういう意味では良いバランスかもしれませんね。

 そうですね。理科は奥深いですからね。今後はもっと深く広く、少し高度な題材を半年などの時間を掛けて取り組んでみたいと思っています。明星大学や設備の充実している近隣大学との連携も視野に入れたいですね。

乗附 そして、こういった実験を通して学ぶことの楽しさを知ってほしいと願っています。

 はい。理科に限らず、学ぶことは楽しいんだということを知ってほしいですね。

乗附 色々なことに興味を持てば、自分らしい夢や目標も見つかるはずです。そして夢や目標に邁進していってほしいですね。

 そして夢を実現してほしい。そのきっかけが「わくわく理科実験」だったら、これほど教員冥利に尽きることはないかもしれませんね。