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トップ>明星学苑報>学苑報NO.35
明星学苑報WEB版
めいせいの芽

 自ら洋書を手に取る、生徒たち


望月 英語の多読多聴とは、私たち自身が日本語を習得してきた過程と、同じ筋道で英語を習得しようとする試みです。私たちが日本語の勉強を専門的にしたわけでもないのに日本語を話すことができるのは、お腹の中にいるときから周りの大人が言葉を投げかけてくれて、今に至るまでたくさんの日本語にふれてきたからです。それと同じように、多読多聴とは子どもたちがたくさんの英語をシャワーのように浴びていき、自然と英語に馴染んでいくことが最大の目的です。

 

鬼丸 多読多聴の授業は毎週1コマ(50分)、英語科の授業として図書館で行っています。授業が始まると、子どもたちは自分の好きな洋書を手に取り読書を始めます。最初は本のタイトル以外文字の書かれていない絵本から始めます。授業中の生徒は真剣そのもの。食い入るように読みながら、洋書の世界に浸り込んでいきます。1人の生徒が昔読んだことのある有名な絵本の英語版を見つけると、周りから「貸して!貸して!」の声。子どもたちの間で絵本が飛び回ることもあるんです。

 

望月 多読多聴には、3原則があります。それは「辞書を使わない」「知らない単語は飛ばす」「つまらなければ本を替える」。最初から、全ての語彙一語一句を理解する必要はありません。生徒が好きな本を自分で選び自由に読むことで、英語に対する苦手意識をつけさせずに英語にふれていくことを目指しています。

 

鬼丸 1つの目安として、1人の生徒につき100万語の英語にふれることを目指しています。例えば、「This is a pen.」だったら四語。図書館にある洋書は本に載っている全ての単語数がカウントされていて、一目でその本の単語総数がわかるようになっています。また、図書館では、生徒がどの本を読んだのかを管理してきました。一人ひとりの生徒が今までに何語の英語にふれたのか、今年度から全て把握できるようなシステムの開発に取り組んでいます。

 

望月 英語の多聴は、多読に続き2009年から始めました。CDプレイヤーを使って、英語を耳から取り入れていきます。朗読の声に引っ張られ、生徒は次々に読み進めることができます。そのため、たくさんの英語にふれることができると同時に、ネイティブの発音に接する貴重な機会として、生きた英語力を身につける土台を作っていきます。

 

鬼丸 聴き取れるまで何度も何度も聴き直す生徒も多いです。CDから流れてくる音声は効果音や歌なども入っていて、なかには歌い出す生徒もいるほどです(笑)。


 約2万冊の洋書がかきたてる想像力


望月 子どもたちの想像力を養うということも多読多聴のテーマです。多読多聴の授業では英和辞書を使用しないため、わからない単語があっても、子どもたちは前後の文脈からその単語の意味を推測しなければなりません。その行為を繰り返していくうちに、見たことのない単語と出会ったときでも自分で考えて、全体の意味を汲み取ろうとする想像力が身につきます。

 

鬼丸 やはり、約2万冊の洋書があるということが中高図書館最大の魅力であると思います。言いかえると、それだけの“教科書”があるということですね。ある程度の基礎力が身につくと、音楽や歴史など自分の好きなことに関係した洋書を自然と読むようになっていきます。中学2年の時点で100万語に到達してしまう子どもたちもいます。自分の興味のある分野で学んだ方が上達が早いことを改めて実感しています。さらには、これまであまり読書をしなかった生徒が、多読多聴で本を読むようになり、新しい分野に興味を持ち始めることもあります。あれほどまでに活き活きと洋書を読む中学生や高校生は、日本中の学校を探しても見つけることは難しいのではないでしょうか(笑)。

 

望月  グローバル社会では生きた英語を自在に操れることが必須であり、その一助になれば良いと思っています。実際に、多読多聴を取り入れてから英語検定の合格率が高くなったり、英語のオンラインテストで読み書きが早くなったという生徒の声も聞いています。大学入試や受験のための英語はもとより、幅広い英語の世界を子どもたちに楽しみながら身につけて欲しいと思っています。

 

鬼丸 多読多聴を始めたときの洋書の数は、約3,000冊。それから約4年で、蔵書数は約6倍にもなりました。多読多聴を支える図書館の環境が整っていくなかで、生徒からも、生徒の保護者からも好評をいただいています。なかには自宅にたくさんの洋書を置いて、家庭にも多読多聴を取り入れたという話も聞いています。今では、他校や様々な教育機関から問い合わせが来るようになりました。さらには、明星の多読多聴に惹かれて入学を希望する生徒も増えています。図書館に入って、目を輝かせる子どもたち。百聞は一見に如かず。皆さんも一度、図書館に足を運んでみてください。 

 

 

 

 建学の精神を実現させる、多読多聴
 明星中学高等学校 校長 北原都美子

 

 私が明星中学高等学校の校長に就任したとき、『和の精神のもと、世界に貢献する人を育成する』という明星学苑の建学の精神を生かせる何かを取り入れたいとの強い思いがありました。ちょうどその頃は、リーマンショックや少子化などの影響で広報活動が大変なときでもあり、今後のことを考えたとき、語学教育に力を入れようと思いました。
 そんなとき私は英語教育の1つである多読多聴と出会いました。明星学苑が目指していくもの、さらには卒業していく生徒たちにとって大きな財産になると思い、この多読多聴を取り入れる決断をしたのです。
 多読多聴の原点である、子どもたちにたくさんの経験をさせるという考えは英語教育だけではなく、理科や数学などの他の教科にも及んでいます。例えば、ペットボトルのロケット実験などを行うわくわく理科実験教室では、子どもたちが普段できないような体験を授業に取り入れています。また、来年度から総合学習という授業も始める予定です。
 多読多聴をきっかけに明星中学高等学校は大きく変わりました。入学希望者は増え、授業中も活き活きとした表情の生徒が増えました。この多読多聴を導入するにあたっては、鬼丸先生や望月先生をはじめとする多くの先生方に協力していただきました。私の思いと先生方の熱意によって実現することができたのです。今後も生徒とともに私たち教育者もさらに頑張っていきたいと思います。